制度の内容・金額・受付状況は年度により変わります。本ページは制度の全体像をつかむための解説で、最新の条件は必ず横浜市の公式情報でご確認ください。
横浜市の解体に使える補助制度の全体像
横浜市には、住宅の除却(=解体)に対する補助制度があります。正式名称は「横浜市住宅除却補助制度」です。
この正式名称を知っておくことが、実は最初の大事な一歩です。名称がわかっていれば、横浜市の窓口に電話で問い合わせるときも、横浜市の公式ホームページで「住宅除却補助」と検索するときも、迷わずご自身で最新の条件を確認できます。誰かの説明をうのみにせず、いつでも一次情報にあたれる状態にしておくのが安心です。
ひとことで言うと「古い住宅を解体するとき、条件に合えば費用の一部を市が補助してくれる制度」です。ただし誰でも使えるわけではなく、建物の条件と市の審査があり、申請の順番にも決まりがあります。以下で順番に見ていきましょう。
対象になる建物の目安
対象の目安は、平成12年(2000年)5月末までに新築の工事に着手した建物です。おおよそ築26年以上の建物が目安になります。これに加えて、耐震診断で耐震性が低いと判断された2階建て以下の木造住宅であることや、倒壊のおそれがあると判定されたこと・特定空家に認定されたことなどの要件があり、最終的には市の審査で対象かどうかが決まります。
「うちの実家はどうだろう?」と思ったら、まず補助金対象チェック診断(5問・30秒)で目安を確認してみてください。建築年がはっきりしない場合も、固定資産税の課税明細書や登記事項証明書(登記簿謄本)で確認できます。
※ 対象条件は年度により変わります。最新の要件は横浜市の公式情報でご確認ください。診断はあくまで目安で、最終判断は市の審査によります。
補助額の目安(建築時期で区分が変わります)
建物の工事に着手した時期によって、補助の上限額の目安が変わります。古い建物ほど手厚い区分になっています。
- 昭和56年(1981年)5月末以前に着工した建物(いわゆる旧耐震):上限50万円が目安
- それ以降〜平成12年(2000年)5月末に着工した建物:20〜40万円が目安(世帯の課税状況により、課税世帯20万円・非課税世帯40万円という区分が公表されています)
補助額は「申請すれば必ずこの金額がもらえる」というものではなく、要件と市の審査を経て決まります。金額・区分とも年度により変わりますので、最新の条件は横浜市の公式情報でご確認ください。
地域限定:もうひとつの解体補助(不燃化推進)
住宅除却補助制度とは別に、火災の延焼被害が心配される地域を対象にした「建築物不燃化推進事業補助」という制度があります。市が指定する重点対策地域(神奈川区・西区・中区・南区・磯子区の一部など)にある昭和56年(1981年)5月末以前の老朽建築物の解体が対象で、補助の上限は150万円と公表されています。対象になるかどうかは建物の場所(町名・丁目単位)で決まるため、ご住所がわかれば対象地域かどうかの確認方法をご案内できます。
このほか、道路に面した危険なブロック塀の解体(軽量フェンスへの改善)にも別の補助制度があります。いずれも要件・金額は年度により変わりますので、最新の内容は横浜市の公式情報でご確認ください。
申請の流れと、一番多い失敗
この制度でいちばん多く、そして取り返しがつかない失敗を先にお伝えします。それは「市の交付決定が出る前に、業者と契約したり工事を始めたりしてしまう」ことです。交付決定前に契約・着工すると、本来使えたはずの補助が対象外になり得ます。着工前の申請が原則です。
順番はこうです。この順番さえ守れば、失敗のほとんどは防げます。
- 相談:解体を考え始めた段階で、まず補助金のことを話題にする(契約はまだしない)
- 対象確認:建築年などから、対象になりそうかの目安を確認する
- 申請:必要書類をそろえて、横浜市へ申請する
- 交付決定:市の審査を経て、交付決定の通知を受け取る
- 契約:交付決定の後に、業者と工事の契約をする
- 着工:解体工事を始める
「先に見積もりを取って、話がまとまったから契約」という普段の買い物の感覚で進めると、3〜4を飛ばして5に行ってしまいがちです。契約のハンコを押す前に、交付決定の通知が手元にあるか——ここだけは必ず確認してください。すでに契約してしまった場合の扱いはご事情により変わることがあるため、着工日を決める前に横浜市の窓口へご確認ください。
※ 申請手続きの詳細・必要書類は年度により変わります。最新の内容は横浜市の公式情報でご確認ください。
そのほかの注意点
- 受付期間と工事の完了期限:年度ごとの制度で、例年、年内(12月末頃)までの受付に加えて、工事の完了・完了報告の期限も年度ごとに定められています。具体的な期日は必ずその年度の横浜市の公式情報でご確認ください。逆算すると、秋までに動き始めると余裕を持てます。
- 予算枠:年度の予算がなくなり次第、受付が締め切られることがあります。「期間内だから大丈夫」とは限りません。
- 業者の条件:横浜市内に本店を有する登録・許可業者への発注が要件とされています。市外の業者に頼むと対象外になり得るため、業者選びの前に確認が必要です。
- 年度による変更:対象条件・金額・受付方法は年度により変わります。このページの内容も含め、最終確認は必ず横浜市の公式情報で行ってください。
解体が終わった後のこと
補助金とあわせて、解体後に待っている手続きも頭に入れておくと安心です。
- 建物滅失登記:建物を解体したら、法務局で建物がなくなったことの登記(建物滅失登記)が必要とされています。手続きの詳細は土地家屋調査士などの専門家にご確認ください。
- 固定資産税の変化:住宅が建っている土地に適用される税の軽減(住宅用地特例)が解体によって外れ、土地の固定資産税が変わる場合があります。ご自身のケースでどうなるかは、市の窓口や税の専門家にご確認ください。
解体はゴールではなく、実家じまい全体のひとつのステップです。家財の片付けから解体後の土地の扱いまでの全体像は実家じまいの進め方で、相談から着工までの段取りは解体までの流れ(5ステップ)でご確認いただけます。